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湿地ってなに?

ラムサール条約では、湿地とは「人工のものも、時々しか水がなくひからびてしまうところも、水の流れがない池や湖もすべて湿地」だと考えています。そして、水の深さが6メートルまでの海もふくんでおり、水がある場所のほとんどが湿地だといえます。

湿地は人間をふくむたくさんの生きものに食料をあたえてくれます。そして、水をためこみ、洪水をふせいだり、日照りのときは水をあたえてくれます。他にも水をきれいにしたり、私たちが水辺で釣りをしたり、美しい景色をながめたりして楽しむことができます。

繁栄

繁栄

十分な量のきれいな水

十分な量のきれいな水

豊富な食糧

豊富な食糧

災害から守る

災害から守る

炭素の貯蔵

炭素の貯蔵

多様で美しい自然

多様で美しい自然

引用:日本国際湿地保全連合

都沢湿地ってどんなとこ?

都沢湿地周辺俯瞰写真

都沢湿地は、高館山の麗にある大山下池の東に広がる約7.7haの低湿地で江戸時代から田んぼでした。

しかし、暮らしの変化によって1999年には全域で米づくりをやめました。その後、下池からの水がにじみでて湿地ができあがり、多くの人たちが話し合い、この環境を守り、再生していくことが決まりました。

ただ、その後の調査で ①乾燥化、②外来動植物の増殖という2つの問題が湿地環境を悪くしていることがわかってきました。これらの問題を解決するために、私たちは積極的に湿地にかかわり、もともと庄内平野にたくさんあった湿地環境を再生することを目指しています。

1930年、田んぼだった都沢湿地の写真

1930年頃の田んぼだった都沢湿地

問題を解決するための取り組み

人為的攪乱による埋土種子の活用
~土の中に眠る種子を日覚めさせよ!~

都沢湿地では土壌を積極的にかき混ぜ=『攪乱』、土の中に眠る種子=『埋土種子』を蘇らせることで、湿地環境を維持する試みをしています。

都沢湿地のような低湿地は、本来、洪水などの自然の力で頻繁に壊される場所に成立します。しかし、低地では人も生活するため、近年、このような自然災害が起きないような対策がとられています。このままでは、湿地は森林へと変わってしまい、湿地環境で生息する多くの動植物は姿を消すことになります。

そこで、私たちは自然の代わりに、重機や人の手を使って湿地の土をかき混ぜ、湿地環境を維持する試みを始めました。この方法によって、土の中に眠る植物の種子が目を覚まし、昔の湿地に生えていた絶滅危l具種のミズァオイやミクリ、ジュンサイが出現しました。また、湿地環境の再生は、アメリカセンダングサなどの非湿生の外来植物の定着の防止にも繁がります。

重機攪乱画像

重機攪乱

重機攪乱画像

重機攪乱

重機攪乱後画像

重機攪乱後

ジュンサイ画像

2008年に確認されたジュンサイ

増え続ける「外来生物」の対策
~外来生物の導入背景を学び、おいしく食べて保全への挑戦!~

ワナあげ画像

都沢湿地には、大正時代に日本に食用として北アメリカから持ち込まれたウシガエルと、その餌であるアメリカザリガニがいます。

都沢湿地では、2012年度よりワナによる定期駆除活動を開始し、毎年ウシガエル約1,000個体、アメリカザリガ二15,000個体を捕獲し、捕獲数の変化や食べているもの(食性)を調べています。その結果、ウシガエルは、アメリカザリガ二以外にもクモやアメンポ、ガムシなど陸上、水辺を問わず、たくさんの生きものを食べていることがわかりました。

また、アメリカザリガ二は湿地の植物を切ったり、食べたりすることもわかってきました。そこで、湿地内に自分たちの手で外来生物排除区域を設置し、外来生物の侵入を防ぎつつ、動植物の回復させる試みも開始しました。

いまでは、厄介者と駆除している外来生物ですが、もともとは人が連れてきた生きものです。知らない国で一生懸命に生きている外来生物には罪はありません。そこで、2014年度から食として再び活用するために、市内の料理店で料理として提供しはじめました。市民が食べることで保全に繁がる新しい試みにも挑戦中です。

アメリカザリガニ画像

アメリカザリガニ

ウシガエル画像

ウシガエル

外来生物カレー画像

外来生物カレー

ざりっ粉定食画像

ざりっ粉